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クロスオーバー夢小説サイト『蒼月』のブログ。日常のネタから夢小噺まで。
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第一話 おいでませポッケ村へ!


白銀に輝く雄大な自然の風景。
吹き荒ぶ雪風に黒髪を靡かせ、白一色の大地に佇む人影が2つ。

2人の足元には、褐色の巨躯が血に濡れて横たわっている。
たった今止めを刺されたそれ―――飛竜・ティガレックス。
流れ出た赤い血も即座に凍りつきそうな極寒の雪山で、しかし2人は剥ぎ取りをする様子もなく、ただじっと佇んでいた。


―――半分凍りながら。


先に動いたのはどちらだったか。
ほぼ同時に斜面の影、今はもう潰れて本来の機能を失ったベースチャンプの残骸の裏に飛び込み身を寄せ合って一瞬後、絶叫。

「「寒ぃぃいいいいい!!!」」

「つーか隊商!本当にとっとと逃げやがってちょっとその辺で隠れて待ってろっつーの!」
「荷物の中にホットドリンク入ってたのに…くっそ今すぐ帰ってきやがれええええ!」

びゅおおおおおお。
ガタガタブルブル。

まぁいくら叫んでも極寒の山中に防寒着もホットドリンクもなく凍死寸前の現状がどうにかなる訳では無い。
が、人間限界突破すると頭も回らなくなるもので。

―――そもそも、彼ら――目つきの悪い、けれどいやに整った顔の男女――がなぜこんな事になっているのか?
時間はほんの10分前に遡る。



********************


「あーそれにしても寒ィなちくしょー」
「はっはっは、あと少しで山頂です。そこを越えればすぐなのでもう暫くの辛抱ですよ。」

ポポの引く馬車ならぬポポ車の荷台、幌の中から聞こえた何度目かのぼやきに御者を務める商隊の男が笑いながら答えた。
ポッケ村の村付きハンターに、との要請を受けているらしい男女は見た目こそ(美形ではあるものの)凶暴そうだが、話せば意外に砕けていて面白い。

村へ向かう最短ルートのフラヒヤ山脈越えは狩り場を横断するため危険極まりなく、ハンターに護衛を依頼すれば通常結構な料金を請求されるのだが、この2人は歩かなくていいならそれに越したことはない、むしろアシ代を払うべきかなどど言う始末。
最近ではかの轟竜ティガレックスの目撃証言もあり、日数と交通費がかかるのを承知で迂回ルートを検討していた商隊には渡りに船も良いところだった。

行程中荷に乗せ食料を分ける程度のことでG級などという破格の護衛ハンターを2人も雇うことに成功した商人は、2人とちょくちょく話をしつつのんびりと雪山を越えていた。


―――それは、そんなのんびりとした談笑中のことだった。


「…近い。」
「山頂?………降りて来る。」

「え?……どう、どう!」

幌の中、のんびりまったりした雰囲気から一転、ピリピリと緊張した低い声音。
何度も狩り場を越え時に大型モンスターに肉薄した経験もあった商人の男は、とりあえずポポを止め幌を振り返った。

こういった場合、まずはハンターに指示を仰ぐ。
男の経験からいって、狩り場でハンターの言う事を聞かない一般人はまず無事では済まないからだ。

「何か来ますか?私たちは逃げた方が良いですか?」
「ああ…多分、何かデカいのが来てる。」
「周囲にこやし玉!なるべく途切れさせるな、全員全速力で村まで走れ!背後からだ……来るぞ!」
「ああ、2人とも…無事に村で会おう!」

言うが早いか2人は荷から飛び降りて、今来た道を山頂方面へ逆走開始。
それを見届ける間もなく商隊は全速力で走り出した。


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